はじめに
UniUniには、おすすめの映画紹介のページがあります。
紹介されている映画は、どれも素晴らしい作品ばかりです。
先日の記事の中で、私自身がLGBT当事者であることを、僭越ながら書かせていただきました。
当事者である私がおすすめしたい、LGBTの映画を1作品ご紹介したいと思います。
映画「ミルク」
『ミルク』(原題: Milk)は、2008年のアメリカ映画で、自らゲイであることを公表した人権活動家ハーヴェイ・ミルク氏の生涯を描いた伝記映画である。
第81回アカデミー賞では作品賞を含む8部門にノミネートされ、主演男優賞と脚本賞を受賞した。
1970年代、アメリカでマイノリティのために戦った政治家ハーヴェイ・ミルクの人生最後の8年間の物語です。
あらすじ
同性愛者であることを公表した上で、米国史上初めて公職に就いた政治家ハービー・ミルクの半生を描いた伝記ドラマ。1970年代のサンフランシスコ。生来の人柄でゲイやヒッピーたちに慕われる同性愛者のミルクは、マイノリティに対する権利と機会の平等を求め、世間の差別や偏見と戦いながら市制執行委員会の選挙に立候補する。第81回アカデミー賞では、主演男優賞(ショーン・ペン)、オリジナル脚本賞を受賞。監督は「エレファント」のガス・バン・サント。
引用:ミルク : 作品情報 – 映画.com
ハーヴェイ・ミルクとはどんな人物なのか?
ハーヴェイ・バーナード・ミルク(英: Harvey Bernard Milk、1930年5月22日 – 1978年11月27日)は、アメリカ合衆国の政治家、ゲイの権利活動家です。
1977年、カリフォルニア州サンフランシスコ市の市会議員に当選しました。
同国で初めて選挙で選ばれたゲイであることを公表していた公職者となります。
しかし議員就任後間もない1978年11月27日、同僚議員により、サンフランシスコ市長とともに同市庁舎内で射殺されました。
この事件の裁判で、同僚議員のダン・ホワイトはたった7年の禁固刑を宣告され、この評決に激怒した同性愛者らが、サンフランシスコで大規模な暴動を起こしました。
ホワイト・ナイトの暴動
評決の後、後に「ホワイト・ナイトの暴動」と呼ばれる暴動にゲイコミュニティーは突入しました。
評決が決まるやいなや、その知らせがゲイコミュニティー中を走り、人々が官庁街に向かって集団で歩き始め、午後8時までにはかなり多数の暴徒が形成されました。
ドキュメンタリー映画『ハーヴェイ・ミルク』(1884年制作)によれば、群衆は警官に、死罪と復讐を要求して叫びだし、その後暴動に発展しました。
暴徒は交通を混乱させ、警察車両に火をつけ、自動車や商店の窓を破壊しました。
そして数で劣る警官に対して暴力が振るわれました。
この暴動が元で160人以上の人々が負傷し入院しました。
ハーヴェイの遺したもの
1999年6月、ミルク氏が「タイム誌が選ぶ20世紀の英雄・象徴的人物100人」の一人に選出されました。
2008年5月には、カリフォルニア州議会下院がミルク氏の誕生日である5月22日を公的に「ハーヴィー・ミルク・デイ」と規定する法案を可決し、また2009年に大統領自由勲章を授与されています。
ミルク氏は自身の暗殺を以前から危惧しており、彼の命が絶たれるような事態になった際に再生してもらうために、いくつかの音声テープにメッセージを録音していました。
それらのテープの1つには
「もし一発の銃弾が私の脳に達するようなことがあれば、その銃弾はすべてのクローゼットの扉を破壊するだろう」(=もし私が暗殺されるようなことがあれば、それはこれまで隠れていたすべてのゲイの者たちをカミングアウトさせることにつながるだろう)
という、有名な彼の言葉が含まれています。
最後に
現在とは違い、ハーヴェイ・ミルク氏が活動していた1970年代は、黒人やアジア人、高齢者、児童、下級労働者等、様々な社会的弱者の救済が必要な時代でした。
そんな時代の凶弾にハーヴェイ氏も倒れてしまいましたが、私たちLGBTマイノリティだけでなく、多くの人々の記憶や、心に多くのものを遺してくれました。
ぜひ、一度は見てほしい映画「ミルク」のご紹介でした。