白痴
- 著者
- 坂口安吾
- 出版社
- 新潮文庫
戦後文学の代表作家としらしめた『白痴』ほか、
太宰と人気を二分した無頼派・坂口安吾の主要7編を収録。
白痴の女と火炎の中をのがれ、「生きるための、明日の希望がないから」女を捨てていくはりあいもなく、ただ今朝も太陽の光がそそぐだろうかと考える。戦後の混乱と頽廃の世相にさまよう人々の心に強く訴えかけた表題作など、自嘲的なアウトローの生活をくりひろげながら、「堕落論」の主張を作品化し、観念的私小説を創造してデカダン派と称される著者の代表作7編を収める。